概要

医薬品業界を取り巻く様々な環境が劇的変化を遂げている中、市場の牽引役が、いわゆるブロックバスター型薬剤から、少患者数に対する高い未充足ニーズの存在する疾患の治療薬へ移り始めており、新たな市場が形成され始めている。なかでも、一疾病あたりの国内患者数が5万人以下と定められている希少疾病医薬品(Orphan Drug(以下ODと示す))については、米国をはじめとした各国で市場開拓が進んでいる。

日本でも、1993年に薬事法内にてOD関連条項が制定された後、OD開発の社会的意義及び経済波及効果については認知されつつあり、複数のベンチャー企業が参入している。国からの措置としては、OD指定薬に関する各種助成や、特定疾患分野を対象とした研究助成も実施され、研究者のさらなる参画が求められている。また、大学におけるOD研究分野は、次世代における新たなオープンイノベーションのあり方としても注目を集めている。

本研究では、

  • OD概念の確立
  • 市場創造による経済波及効果の予測
  • 知財戦略までを念頭においたリサーチデザインの提案
  • OD市場に対する(大学発)ベンチャー企業参入の環境整備について、臨床医を含む医薬系研究者や企業関係者らの協力を得ながら、世界に先駆けて設計・提案

することを目的とする。

また、ポータルサイト構築を通じて、研究者をはじめとした当該分野に興味をもつ人財に対して積極的に情報提供をおこなう。同時に、ネットワークを通じて、基礎分野の研究者と開発・臨床分野関係者等との円滑な連携を促進する。さらに、海外機関との積極的な情報共有を行うことで、日本発知的成果を世界に対して発信する。

本提案のように、単に研究者サイド、新薬承認サイド・患者サイド・臨床サイドという単一の立場による切り口でなく、複合的な立場から見て実効性のある、つまり治療研究が進むための最良のネットワークシステムを構築するという自体、困難かつ挑戦的であろう。しかしながら、今までにない国内外を巻き込んだネットワークを構築することにより、OD治療研究の効果的な推進が期待できる

論文発表

Yukiko Nishimura (The University of Tokyo), Yoh Terada and Kazuki Ohno (PRIP Tokyo),
STUDY FOR THE REVISION OF THE PHARMACEUTICAL AFFAIRS LAW AND ORPHAN DRUG MARKET IN JAPAN,
International Conference on Rare Diseases & Orphan Drugs, 2008, Washington D.C.

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