概要
技術革新は社会のニーズに応えるべく遂行されるが、本来の企図と異なる方向で社会に影響を与え、それによって新しい問題をもたらすことがある。そうした事例は、情報通信技術の分野には少なくない。それは、情報通信技術による変革がしばしば社会全体に及ぶにもかかわらず、企業など個々の意思決定主体の判断基準が限定的であることによる。そこで、技術革新が社会のさまざまな部分に目的外の影響を与えることが予測できる場合には、あらかじめ「ありうべき未来」を想定し、起こりうる問題について打ち手を検討しておくことが重要である。とりわけ、わが国のユビキタス社会は、携帯電話に代表されるパーソナル・デバイス(以下、携帯の可能な単なる電話端末と区別する意味で「ケータイ」と呼ぶ)が急速かつ全社会的に普及しただけでなく、メール、ウェブブラウザ、デジタルカメラ、GPSなどに代表される高機能化が着々と進行し、さらにSuicaやEdyのような電子マネー機能などまでも付加されるなど、高機能化とその速度において世界にも稀な社会実験を進めている状況である。そのような状況の下では、近くの「ありうべき未来」を想定し、起こりうる問題についての打ち手を予め検討しておくことは、極めて重要である。
本研究は、このような問題意識に立ち、ケータイを中心に、わが国がユビキタス社会に発展していく過程で実現する「ありうべき未来」を想定し、そこで生ずる具体的な問題について予測し、科学・技術、法・制度、社会科学・倫理などの面から総合的に検証したうえ、それらの対策(打ち手)を構想し、しかもそれを社会の中で試験的に実装することによって有効性を確認し、その後政策として提言するものである。
2009年度
- 「ケータイ技術の知識不足から生じる危険の予防策 ―ケータイ文化を中心としたユビキタス社会における潜在的問題の発生予防策の提示及びその社会実装― 」委託元:独立行政法人 科学技術振興機構(JST) 社会技術研究開発事業・公募型研究開発 「ユビキタス社会のガバナンス」
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論文発表
Yukiko Nishimura, Kunihiro Nishimura and Takeaki Sugimura, Review of Knowledge Transfer Program Based on Mobile Phone (KEITAI)'s Technology Prediction and Its Psychological Impact on Users, Portland International Center for Management of Engineering and Technology, 2009.
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